1955年の京都大学カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊(KUSE)地質班に参加した藤田和夫博士(地質学)作成・収集の資料には,探検各所の行程とその中の写真の撮影地点・方向や岩石標本の採集地点を記したルートマップ(野稿図)が残されています。
この資料はそのルートマップの一つ,ビアフォ(Biafo)氷河のルートマップです。5月末にギルギットを出発した探検隊は,7月下旬にはこのビアフォ氷河の入口から入り,1週間をかけて縦走,ヒスパー・パス(Hispar)へ向ったそうです。ルートマップ下部の記載[注1]から,すでにビアフォ氷河に平行して走る断層の存在を指摘していたことがわかります。
(参考)“ルートマップ(1)(ビアフォ)”. 京都大学カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊 1955/1956〈地質班〉. 「京都大学フィールド映像アーカイブ・センター設立準備」委員会, 2007年, p.8-11.
[注1] 記載翻刻(改行位置を“」”で示した):
氷河の東面でrockがちがうようにみえる。」東側がSedimentary originのmetamorphic」で、m-sch. & dot.であるのに対して」西側はGahampaまではgranitic seriesで」見掛け上、その下にsed. origin met.が」くる。fault?
*「m-sch」は,mica-schist(雲母片岩)のことヵ。